【大学病院】サプライズ (1) ~コーヒープレイク~
いつも診療の話ばかりなので、ちょっとコーヒーブレイクの話をしましょう。
――2人だけの初めてのクリスマス・イヴ――のハズだった。
けれどもタレントのYチャンは待ちぼうけ。
次の日も、その次の日も。そして、とうとう大みそか。
Y「もう、絶対許してあげないから!!」
夜の10時、11時・・・。
誰かが彼女の部屋の扉を激しくノックした。疲れてテーブルに伏していた彼女。
Y「誰だろう、今ごろ?」
扉を開けるとそこには肩で息をしている彼が立っていた。
G「これ・・・。クリスマス・プレゼント・・・
花屋がどこも閉まっててさ。何軒も何軒もまわったんだ・・・」
Y「クリスマスだったら、バラとか、ランとか・・
せめてあの赤いヤツ(ポインセチアのこと)とかさぁ・・・」
G「閉まっている花屋をなんとかたたき起こしてさ、これしかなかったんだよ。だから、ハイ!どうしてもYに花を買いたかったんだ。」
Y「これ・・・。シクラメンじゃない?!
こんなのじゃ・・・・・・。うれしい!」
Y「ね?先生。Gっていい奴でしょ!今までで1番泣けたプレゼントだったかな。」
うれしそうな彼女を前にして、私はシクラメンの別名(ブタのまんじゅう)をそっと胸にしまった。