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2011年12月15日

今日も診療室でモデルの女の子が彼氏の話に夢中になっていた。
「Mはね、カートのドライバーでね。腕はいいんだけどお金がないから、優勝できないんだ。ジャニーズのAなんかどうせ道楽のくせにいいマシンでさ...。」
「Mはね、友達の車が故障したからって、自分の車の部品を外して貸してあげちゃうんだよ。
自分がレースに出れないじゃん!」

「でも、君はそんな彼が好きなんだよね。」
彼女は大きくうなづいた。

そんなある日...。
「Mが歯が痛いんだって。でも歯医者なんか行きたくないって言ってるの。どうしよう? 先生助けて!」
私は小さなメモ用紙にコメントを記入して彼女に渡した。
「これを彼に渡してごらん。君が言うような人だったら必ず私に会いに来るから。」
「本当? こんなメモぐらいでMが歯医者になんか来るの?」

彼はすぐにやって来た。
「あんなこと言われちゃ、来ない訳にいきません。覚悟してますからよろしくお願いします。」
立派な体格の男は痛みに弱い。
治療イスの上でも体がこわばっている。私はいつものように緊張を和らげるような会話をしながら痛みのない麻酔をした。

驚く彼を尻目に痛みもなく手際よく初回の治療を終えた。
彼の目に感動の文字が光っている。

数回の治療でスッカリ信頼関係を結んだ彼が言った。
「あいつ(モデルの女の子)色々問題ありますけど、根はいい女なんでこれからも守ってやってください。お願いします。」

やれやれ、俺は男にはいつも強いんだよね...。

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さとう歯科医院 院長 佐藤達也

さとう歯科医院
http://www.satou-client.jp/
院長 佐藤達也

【ブログの主旨】

「診療雑感」は、私が過去にどのようなことを感じ、どんな診療を行っていたかをまとめたものです。症例写真だけでは技術をお見せすることはできませんが、文章なら私の人間性を語ることができます。 なじみの患者さんが言っていた、「何かあったら、(佐藤)院長が出てきてくれるんだから、俺は今の先生を信頼してお任せしていますよ。」とは、ありがたいひと言である。


【経歴】

1988年 東京医科歯科大学卒業

1988年~1990年 東京医科歯科大学研修医修了(2期生)

1990年~1998年頃 東京医科歯科大学・障害者歯科学講座・顎口腔機能治療部において、大山喬史教授(当時の病院長、現在学長)の指導のもと、教授診療助手のチームリーダーとして、難易度の高い義歯や著名人・芸能人の審美歯科治療を担当。

1991年~1998年頃 障害者歯科学講座・障害者歯科治療部において、有病者の歯科治療。

1992年6月 大田区東雪谷にて開業。

2004年9月 現在住所(隣)に移転。