【大学病院】麻酔が切れたら...
口腔外科と矯正科の両方に出入りしていた関係で、矯正医から埋伏した親知らずの抜歯を依頼されることが多かった。
あるとき、抜歯1週間後の抜糸の際「会計を済ませてお薬を頂く前に麻酔が切れてしまい、痛くて大泣きしてしまいました。」と言われた。
大学生の女の子に大変な思いをさせてしまったと後悔し、以来ポケットに痛み止めを常備するようになった。研修医修了直前、自分の完全埋伏親知らずを抜こうと思い立った。上司の教官でなく、同級生であれば私の手技に近いだろうし、実際私の患者さんが受けた苦痛と同等ではないかと考えたのだ。
その後、麻酔が切れるまで待った。
「来た!」
痛み出してから「ポンタール」を内服。
15分経っても痛みが増すばかりで「ボルタレン」を内服した。
その30分後、もはや歩く震動すら耐えられなくなり、
最後に「ロキソニン」を内服し、それから30分、ようやく歩けるようになった。
こんな思いを2度と患者さんにさせぬように神様は教えてくれたのだと思う。