【さとう歯科医院】私の30代がかかっている(2)
知人の女性が前歯2本のセラミック治療を希望して来院した。
「先生、私にいい人ができるような歯にしてください。もう29なんです。真剣なんです。」
「No.1の技工士さんのところへお願いに行きましょう。
職人さんも直接頼まれたら、イキに感じるでしょうから。
手作りのお菓子なんかあるとなおいいと思うけれど。」
数日後、アップルパイを持った彼女と、診療後に技工所を訪問することになった。
アップルパイと彼女を見た技工士さんは、本当にビックリしていた。
真剣に色・型を選んで提案していた。
私が忘れていた頃、その歯を入れた彼女から、入籍を知らせる年賀状がとどいていた。